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被爆学徒の品 オスロ展示 ノーベル平和賞 原爆資料館貸し出し

 原爆資料館(広島市中区)は17日、国際非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))のノーベル平和賞受賞に合わせてノルウェー・オスロで来月始まる関連展示に、所蔵する動員学徒のかばんと防空頭巾を貸し出すと発表した。展示先のノーベル平和センターの担当者が資料館で関係者と協議。人への被害を感じさせる遺品を中心に選んだ。

 2点とも市立造船工業学校(現市立広島商業高)1年だった13歳の時に材木町(現中区)での建物疎開作業中に被爆し、行方不明となった舛田幸利さんの所持品。かばんは肩ひもがちぎれて焼けて破れ、防空頭巾はその中に入っていたという。弟で、被爆者の益実さん(83)=西区=は「本人は帰らなかったが、かばんはよく残った。核兵器廃絶の一助になれば」と願う。

 展示は授賞式の翌11日から来年11月20日まで。長崎市の原爆資料館は原爆投下時刻の午前11時2分を指したままの腕時計とロザリオの2点を、立命館大国際平和ミュージアム(京都市)は弁当箱1点を貸し出す。

 広島の資料館を訪れた同センターのリブ・スウェードラップ副センター長は「ICANの活動の原点はヒロシマ、ナガサキで、被爆資料は核兵器が二度と使われてはならないというメッセージ。原爆が市民に及ぼした被害と恐ろしさを伝えたい」と話した。(野田華奈子)

(2017年11月18日朝刊掲載)

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