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戦争なき世界つくろう 広島大付属東雲小授業 行動大切さ 4年生学ぶ

 原爆投下を題材に、平和な世界をつくるための責任を考える公開授業が18日、広島市南区の広島大付属東雲小であった。国際非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーンICAN(アイキャン)のノーベル平和賞受賞などを受け、同校の教諭が企画。4年生29人が学んだ。(樋口浩二)

 まず米国による原爆投下の責任の所在について意見を交わし、県被団協の坪井直理事長(92)ら被爆者2人が寄せたビデオメッセージを鑑賞。「米国のせいだけにせず、戦争のない世界に向けた責任を尽くすことが大事」などとする坪井さんの話を聞き、未来を担う若い世代が行動することの大切さを確認した。

 その後、新谷和幸教諭(43)が、ICANの受賞など核廃絶への明るい兆しがある一方、核兵器禁止条約への日米政府の不参加など厳しい現実もあると紹介。児童からは「被爆国だから日本も参加してほしい」などの意見が出た。新谷教諭は「一人一人の日々の行動が未来をつくる」と説いた。

 ICANの受賞や同条約の制定で高まる核廃絶の機運を受け、新谷教諭が全11時間の授業を今月上旬に開始。原爆投下までの経緯や被害を学び、この日が最終回だった。久保田修平君(10)は「多くの人が被爆した広島の出来事を一人でも多くの人に知ってもらうため、自分に何ができるかを考えたい」と話していた。

(2017年11月19日朝刊掲載)

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