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災害復興や和平考える 中区で国際シンポ 専門家ら討議

 自然災害や戦災からの復興、平和構築をテーマにした国際シンポジウムが18日、広島市中区の広島大東千田未来創生センターであった。震災復興や紛争の和平交渉に関わる専門家たちが意見を交わした。

 仙台市に拠点を置く建築家の阿部仁史さんが基調講演。東日本大震災の復興住宅に中庭を設け、震災前のような近所付き合いで被災者の心理的負担が和らぐよう工夫した点を紹介した。「日頃からコミュニティーを育むことは災害時の助けにもなる」と話した。

 阿部さんと学識者3人によるパネル討議もあった。韓国・高麗大の朴(パク)鴻圭(ホンキュ)教授は日韓の歴史認識問題に触れ、「両国民による市民議会を設けるなど、対話を重ねていくべきだ」と指摘。北アイルランド紛争の和平交渉に参加した欧州対外行動庁のケイト・ファーロン特別顧問は「和平交渉には時間がかかる。しっかり監視しなければならない」と述べた。

 広島大平和科学研究センターの主催。県内外の研究者や大学生、留学生たち約60人が耳を傾けた。(畑山尚史)

(2017年11月19日朝刊掲載)

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