×

ニュース

寄贈の千羽鶴 雛飾りに再生 上下の重森さん制作

 広島県府中市上下町の画廊オーナー重森由枝さん(65)が、平和記念公園(広島市中区)の原爆の子の像に寄せられた千羽鶴を使って吊(つ)るし雛(びな)風の飾りを作った。2、3月に開かれる同町の一大イベント「上下ひなまつり」までに20点を制作。約1500体のひな人形と共に画廊に展示する。(筒井晴信)

 色とりどりの折り鶴を囲むように、直径3~6センチの黒い飾りが下がる。女の子の幸せを祈って祖母や母親が一針一針縫い込んだ雛やまりをつるす形にアイデアを得た。「子の成長と平和。願いの詰まった二つを一つに表現したかった」という。

 昨年、広島市が千羽鶴の利用先を募集している報道を目にし、ひなまつりにぴったりと思ったという。今年8月に大きさや形の整った約6万羽が届いた。千羽鶴を引き立たせるため、シンプルな飾りと組み合わせたという。

 2006年から始まった上下ひなまつりは毎年2、3月に開催。商店街など約100軒の店先に飾られたひな人形が、白壁の町並みを彩る。期間中に約3万人が訪れる。

 まつりでの千羽鶴利用の広がりも願っており「みんなで役立てて、折った人の願いをつなげていければ」と話している。上下画廊Tel0847(62)4822。

(2012年10月19日朝刊掲載)

年別アーカイブ