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広島復興期の縁 再び 戦後に支援物資送った米教会 本川小で児童らと交流

 原爆で壊滅的な被害を受けた広島市中区の本川小に1946年に支援物資を送り、返礼として翌年、児童の絵などを受け取った米国の教会から「平和巡礼団」が同小を訪れ、6年生の61人と交流した。

 首都ワシントンのオール・ソウルズ・ユニテリアン教会の牧師や信者25人。松尾鷹乃丞さん(12)と山本悠さん(12)が「ようこそ」と英語であいさつし、テレビドラマのテーマ曲をリコーダーで演奏。巡礼団のメンバーは平和がテーマの歌など3曲を披露した。

 「復興期の縁を継続させたい」と2010年と14年に被爆地を訪問したが、児童との交流会は初めて。同窓生や地域住民らでつくる「本川おもてなし隊」(田中八重子会長)がサポートした。ロバート・ハーダイズ牧師(46)は「70年前と今日の交流が時を超えて響き合い、素晴らしい。北朝鮮の核問題を抱える中、本当の平和を考える機会にもなった」と話していた。

 当時の児童の作品は計48点。同教会で保存しているのを三次市出身で米国在住の舞台芸術家、重藤マナーレ静美さんが知り、光が当たった。10年には本川小で一部の「里帰り」が実現、重藤さんらがその経緯を映画や紙芝居にしている。

 一行は千田小(中区)などでも交流した。(金崎由美)

(2017年11月20日朝刊掲載)

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