×

ニュース

米軍輸送機墜落 3人不明 空母艦載 岩国基地を出発 沖ノ鳥島沖

 22日午後2時45分ごろ、東京・沖ノ鳥島の北西約150キロの公海上で、米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」艦載のC2輸送機が墜落した。米海軍第7艦隊によると、搭乗していた11人のうち8人を救助し健康状態も良好だが、3人が行方不明。同空母は北朝鮮をけん制する狙いで他の米空母2隻と演習するなど日本近海で行動し、事故当時も海上自衛隊と訓練中だった。

 小野寺五典防衛相は記者団に、米側が「エンジンの不調が原因ではないか」との見方を示したと明らかにした。第7艦隊によると、C2は人員と貨物輸送の通常任務のため、米海兵隊岩国基地(岩国市)を出発して原子力空母に向かう途中だった。米海軍と海自が捜索している。

 同空母は神奈川県の横須賀基地が拠点。10月26日に寄港地の韓国・釜山を出港し、トランプ米大統領のアジア歴訪に合わせ米空母計3隻で演習したり、日本海などで海自の護衛艦と共同訓練を実施したりした。今月16~26日の予定で、海自と米海軍による「海上自衛隊演習」に参加していた。

 C2は空母ロナルド・レーガンの日本海などでの演習時に、関係者輸送で岩国基地を利用しており、今月も離着陸を繰り返していた。在日米軍再編で同空母の艦載機は、米海軍厚木基地(神奈川県)から岩国基地への移転が8月に始まっている。来年5月ごろまでに計61機が移転予定で、C2は2機が1月ごろ岩国基地へ移る計画だ。

 C2は米国防産業大手ノースロップ・グラマン製で全長約17・3メートル、幅約24・6メートル。一度に20人以上を輸送できる。老朽化が進み、2026年までに後継の海軍用の垂直離着陸輸送機CMVオスプレイに全て切り替える計画になっている。

 日本周辺では米軍機の事故が相次いでいる。

(2017年11月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ