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親の被爆体験 子や孫へ 2世のグループ「F・C・Lひろしま」 東区で来月講演会

米出身詩人ら朗読・対談

 広島市の被爆2世たち3人でつくるグループ「F・C・Lひろしま」が12月2日午後1時から、原爆をテーマにした作品がある米国出身の詩人アーサー・ビナードさんたちを招き、初の講演会を東区民文化センターで開く。被爆者が高齢化する中、被爆体験を次世代へ伝える手だてを草の根から考えてほしいと、来場を呼び掛ける。(奥田美奈子)

 3人は、いずれも西区の竹口博子さん(64)、佐々木佐久子さん(67)、中原秀子さん(68)。竹口さんと佐々木さんは母親が被爆者で、中原さんには被爆2世の夫がいる。

 ビナードさんの作品に触れ「2世でありながら、母の体験を筋立てて語ることもできない」と省みた代表の竹口さんが、意気投合した2人と4月にグループを結成した。

 佐々木さんは、市の「被爆体験伝承者」の養成研修を受講している。被爆者の平均年齢が81歳を超える現状を学び、継承活動の重要性を再認識した。「戦争を直接知らなくても、戦後の雰囲気や被爆者の声を見聞きしてきた2世の世代と、今の子どもや親の世代の受け止めは大きく違う」と指摘する。

 グループ名のF・C・Lは「未来」「つなぐ」「線」を意味する英単語の頭文字から採った。中原さんは「平和のために何をするべきか、自分で考えられる子どもを育みたい」と語る。

 講演会ではビナードさんが自作の絵本「ドームがたり」を朗読し、作品に込めた思いを語る。元広島市長の平岡敬さんとの対談もある。入場料500円、大学生以下は無料。定員80人。佐々木さん☎090(2866)5422。

(2017年11月24日朝刊掲載)

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