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核非合法化、声明参加を要請 外務省に長崎市長

 核兵器の非合法化を目指すスイスなど16カ国の声明への参加を日本政府が見送ったのを受け、長崎市の田上富久市長は19日、外務省を訪れ、声明に加わるよう再考を求めた。広島市の松井一実市長も、16カ国との連携強化を政府に要請する考えを示した。

 田上市長は北野充軍縮不拡散・科学部長と非公開で面会した。省側は非人道性に異論はないが、「核兵器を非合法化する努力」を掲げた点が米国の核抑止力に頼る安全保障政策と整合性がとれないとして不参加の立場を変えなかったという。

 田上市長は「核兵器の非人道性に光を当ててゼロにするアプローチを多くの国が試み始めた。政府もその中で取り組むべきだ」と述べた。

 松井市長は中国新聞の取材に「声明は絶対悪である核兵器の廃絶を目指す被爆地広島の訴えと重なる」と強調。16カ国との連携強化を政府に要請することを検討するとした。

 日本原水協は、声明の積極的支持を政府に求める安井正和事務局長名の談話を出した。

 また参院行政監視委員会では、風間直樹外務政務官が声明への参加見送りを明言。一方、2014年に広島市である「軍縮・不拡散イニシアチブ」(NPDI)の外相会合で、非人道性を訴えるメッセージの発信を前向きに検討する意向を示した。公明党の谷合正明氏への答弁。(岡田浩平、田中美千子)

(2012年10月20日朝刊掲載)

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