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被爆・渡米治療 ビデオ証言 米の笹森さん

 広島で被爆し、ケロイド治療のため渡米した経験のある笹森恵子(しげこ)さん(80)=米カリフォルニア州=が19日、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)による在外被爆者の証言ビデオ収録に応じた。

 「生かされた者の使命として命の大切さを伝えたい」。帰国を機に、祈念館の依頼に応えて撮影に臨んだ。

 13歳だった笹森さんは建物疎開の作業中、鶴見橋(現中区)付近で被爆。顔などにひどいやけどをし、自分の顔を見た時「ショックでぞっとした」とカメラを前に振り返った。

 米ジャーナリストのノーマン・カズンズ氏の提唱で1955年に渡米、治療を受けた被爆女性25人の一人。帰国後に再渡米し、看護の仕事をしながら子どもを育てた。「愛情と親切心があれば戦争は起きない」とカメラに向かい強調していた。

 米国などで被爆の惨状を証言。日系3世の米国人スティーブン・オカザキさんのドキュメンタリー映画「ヒロシマナガサキ」にも出た。(増田咲子)

(2012年10月20日朝刊掲載)

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