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被爆ピアノ オスロへ 平和賞授賞式 関連行事で演奏

 広島で被爆したピアノが、国際非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))へのノーベル平和賞授賞式翌日の12月11日、ノルウェー・オスロでの関連行事で奏でられることが決まった。

 ピアノは、被爆2世で調律師の矢川光則さん(65)=広島市安佐南区=が所有する6台のうち、原爆投下時に宇品地区(南区)の民家にあったとされる1938年製のアップライト型。29日朝、工房から現地へ発送する予定。受賞をたたえるコンサートで米国のピアニスト、ジョン・レジェンドさんが演奏する。

 現地での演奏は、米在住で広島市の「ひろしま平和大使」を務める軍縮研究家のキャサリン・サリバンさんを通じ、10月下旬に市へ打診があった。被爆ピアノの演奏は受賞者側も熱望し、コンサートのスポンサーの理解を得て実現したという。

 被爆ピアノは2001年以降、1700回を超す会場で奏でられ、海外での演奏は10年の米ニューヨーク以来、2度目。

 調律のため10日に現地へ旅立つ矢川さんは「核兵器廃絶という共通の願いを追い求める団体の受賞に立ち会えて光栄」とし、「音色を通し、平和の願いを心で感じ取ってほしい」と願う。(桜井邦彦)

(2017年11月28日朝刊掲載)

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