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ピースボートが東京帰港 被爆証言 世界で手応え

■記者 岡田浩平

 被爆者が乗り込んだ非政府組織(NGO)ピースボート(東京)の大型客船が世界を回る129日間の航海を終え、13日に東京・晴海埠頭(ふとう)に帰港した。被爆者たちは20カ国・地域の23カ所で被爆の記憶を伝えた経験を糧に核兵器の廃絶へ決意を強めた。

 広島市の自宅で被爆した七宝作家の田中稔子さん(70)=東区=は航海で初めて体験を話した。被爆の実態を知らない人がいたことに驚く一方、体験を聞いたベネズエラの兵士から「これからの最大の武器は平和だ」と共感を得たといい「今後は自ら世界各地に出かけ体験を伝えたい」と思いを新たにしていた。

 広島、長崎で被爆した103人が参加。一般客とともに昨年9月に横浜港を出発しベトナムで枯れ葉剤の被害者と交流したり米国の国連本部で体験を語ったりした。故障で船を乗り換えたため、予定より約1カ月延びた。

 被爆者たちは今月下旬に広島市を訪れ、航海で集めた約30都市の平和市長会議への加盟書を届ける。ピースボートは今夏、被爆者による第2回の航海を計画している。

(2009年1月14日朝刊掲載)

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