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伊東さん「52歳」しのぶ 米同時テロで犠牲…十七回忌 母校の記念樹 両親が訪問

 2001年の米中枢同時テロで亡くなった広島市安芸区出身の伊東和重さん=当時(35)=の両親が19日、母校城北高(東区)にある和重さんをしのぶ記念樹を訪れた。十七回忌を迎え、息子の在りし日の姿に思いをはせた。

 この日は、和重さんの「52歳」の誕生日。安芸区に暮らす次男さん(82)と妻瑞子さん(80)は、赤く色づき始めた記念樹のモミジの前に手製の献花台を置き、ケーキと花束を供えて手を合わせた。

 和重さんはテロ発生時、富士銀行(現みずほ銀行)ニューヨーク支店に勤務。崩壊した世界貿易センタービル内に支店があり、テロに巻き込まれたという。遺体は見つかっておらず、次男さんは「早く帰ってこい、待っているよ」と声を掛けた。

 記念樹は高校時代の同級生たちが中心となり植樹し、昨年1月に除幕。9月11日と月命日の11日、誕生日に欠かさず訪れる次男さんは「ここに来ると輝いていた頃の息子に会える気がする。悲しみの中でささやかな喜びです」と、同級生や学校の計らいに感謝した。(明知隼二)

(2017年11月20日朝刊掲載)

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