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艦載機 岩国に第2陣 FA18など15機 移転が本格化

 米軍岩国基地(岩国市)へ厚木基地(神奈川県)から空母艦載機61機が移転する計画で、主力部隊のFA18スーパーホーネット戦闘攻撃機など15機が28日、岩国基地へ到着した。8月のE2D早期警戒機5機に続く第2陣。来年5月ごろまでとされる移転が完了すれば、既存の海兵隊機を含めた同基地の所属機は約120機に倍増し、極東最大級の米軍基地へと変貌する。(松本恭治)

 第2陣はスーパーホーネット2部隊(24機程度)とEA18Gグラウラー電子戦機部隊(6機程度)の計約30機。午前11時ごろから午後4時すぎまでの間に、スーパーホーネット13機、グラウラー3機が順次着陸した。うちスーパーホーネット1機は来年の移転予定で、整備などのためという。いずれも日本の南海上に展開中の原子力空母ロナルド・レーガンから飛来した。

 岩国基地には24、25日、東京・沖ノ鳥島沖で起きた艦載機のC2輸送機墜落事故の影響でスーパーホーネットなど計11機が飛来。米側は28日の艦載機到着に合わせ、この11機も「移転」扱いとした。第2陣は、この日までに26機が配備されたことになる。残る4機程度も近く移転する予定。

 在日米海軍司令部(神奈川県横須賀市)によると、艦載機が所属する第5空母航空団の司令部機能も、61機の移転完了に合わせて岩国に移る。同航空団司令官のマイケル・ワシ大佐はこの日、「航空団の段階的移転に向けた重要な一歩」とのコメントを出した。

 スーパーホーネットは対地、対空攻撃に優れた米海軍の主力戦闘攻撃機。従来型ホーネットに比べて機体が一回り大きく、エンジン出力も大きい。派生機のグラウラーとともに厚木基地周辺の騒音被害の主因とされている。

 艦載機は通常、ロナルド・レーガンが洋上展開を終え、母港の横須賀基地(横須賀市)に帰港する時期に厚木基地へ飛来。整備や休暇に伴う空母の入港期間は年200日程度。艦載機はその間、厚木基地を拠点に離着陸や飛行の訓練を繰り返していた。

米空母艦載機移転計画
 在日米軍再編の一環で日米両政府が2006年5月に合意。岩国市や山口県など地元自治体は今年7月11日、国に移転容認を伝えた。第2陣に続き、C2輸送機2機が来年1月ごろに移転予定だったが、うち1機が東京・沖ノ鳥島沖で墜落し、時期は変更される可能性もある。来年5月ごろにもスーパーホーネット2部隊が移り、同機は今年分を含め48機となる予定。

 ◇お断り 米海軍厚木基地(神奈川県)からの空母艦載機移転に伴い、これまで「米海兵隊岩国基地」としてきた表記を今後、「米軍岩国基地」に変更します。米海兵隊が管理する基地であることは変わりませんが、米海軍の艦載機部隊も駐留するための表記変更です。

(2017年11月29日朝刊掲載)

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