×

ニュース

マニュアル見直し進む 北朝鮮ミサイル 学校どう危機管理

 緊迫化する北朝鮮情勢を受け、山口県内の学校で弾道ミサイル発射に備えた危機管理マニュアル見直しが進んでいる。米軍岩国基地を抱える岩国市では、来年度中に全ての小中学校で実施するよう通知した。29日未明に再び発射されたこともあり、各校は全国瞬時警報システム(Jアラート)発令時の対応などの方針決定を急いでいる。(和多正憲、川村奈菜)

 岩国市教委は24日、市立の全小中学校46校と幼稚園2園の校長や園長を集めた会議で、ミサイル飛来時に児童や生徒、園児を守るための具体的なマニュアル作りを求めた。「不安をあおってはいけないが、来年度中に対応できるようにしたい」とする。

 同市教委の動きは、相次ぐ北朝鮮のミサイル発射を受けた国の通知に基づく。文部科学省は9月、マニュアル見直しやJアラート発令時の児童生徒たちの安全確保策などを求める文書を各都道府県教委へ通知している。

 一方、国の要請前から、ミサイル発射時のマニュアル作成や避難訓練に取り組んだ学校もある。岩国市の通津小は6月の避難訓練に合わせ、防犯や災害を想定したマニュアルにミサイル発射時の学校対応を書き加えた。同小は「基地に近く、攻撃を心配する声もある。独自判断で決めた」と説明する。

 山口市の小郡南小も8月下旬、登下校時や授業中の場面ごとにJアラート発令時の学校対応を定めたマニュアルを作成。同小は「北朝鮮が広島や島根を名指しし、発射予告した時期だったので必要性を感じた」という。

 県教委も近く県内全ての県立学校に対し、来年度中のマニュアル見直しを要請する予定。すでにJアラート発令時の休校判断については、学校長が個別に決めるよう求めた。県教委は「これまでは防犯や交通安全、災害を想定したマニュアルだったが、ミサイル発射時の地域の実情に応じた対応策を加えてもらう」としている。

(2017年11月30日朝刊掲載)

年別アーカイブ