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祝島の自然壊さないで」 上関原発訴訟 口頭弁論で島民訴え

 上関町で原発建設を計画する中国電力に公有水面埋め立て免許を交付したのは違法として、同町祝島の住民や自然保護団体のメンバーが県に免許取り消しなどを求めた訴訟の口頭弁論が29日、山口地裁であり、祝島で長年暮らしてきた中村隆子さん(87)が、貴重な自然が失われるなどとして建設反対を訴えた。

 同訴訟では初めての本人尋問で、中村さんと保護団体代表が弁護士の質問に答えた。

 終戦直後に朝鮮半島から出身地の祝島に引き揚げ、72年間暮らしてきた中村さん。10年前に亡くなった夫と漁業で生計を立ててきたと振り返り、「埋め立て工事で海が濁ると、魚が取れなくなる。祝島の自然を壊さないで」と訴えた。原発事故が起きれば「高齢者が多く、身動きが取れない。島なので逃げ場もない」と述べた。

 祝島の漁業者が同免許取り消しを県に求めた別の訴訟の本人尋問も30日に地裁である。(佐藤憲佑)

(2017年11月30日朝刊掲載)

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