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谷本清平和賞 故碓井静照氏が受賞 前広島県医師会長

 財団法人ヒロシマ・ピース・センター(鶴衛理事長)は22日、第24回の谷本清平和賞に、広島県医師会長や核戦争防止国際医師会議(IPPNW)日本支部長を務め、5月に74歳で亡くなった碓井静照氏を選んだ、と発表した。

 碓井氏は8歳の時、爆心地から北東2・3キロの現在の広島市東区牛田本町にあった自宅近くで被爆。「被爆者はどこにいても被爆者」と在外被爆者の医療に積極的に取り組んだ。ことし8月、23年ぶりに広島で開催されたIPPNW世界大会の誘致にも尽力した。

 同賞が故人に贈られるのは4度目。鶴理事長は「在外被爆者の医療支援と核兵器廃絶に向けた献身的な活動に敬意を表したい」と語った。

 碓井氏の妻周子(ちかこ)さん(74)=東区=は「故人も喜んでいると思う。皆さまに碓井の願いを引き継いでいただければ幸いです」とのコメントを出した。同賞贈呈式は11月18日、中区である「国際平和の集い」で行い、周子さんが出席を予定する。

 同賞は、原爆で親を失った子どもたちの支援に尽力した広島流川教会(中区)の故谷本清牧師の遺志を継ぎ1987年に創設。平和の実現や被爆体験の風化を食い止めるために活動する個人や団体に贈られている。(城戸収)

(2012年10月23日朝刊掲載)

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