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小水力発電「採算取れる」 島根県、候補地80ヵ所を調査

 島根県は22日、出力千キロワット以下の小水力発電が可能な候補地80カ所を現地調査した状況を明らかにした。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の開始もあり、各地とも「おおむね採算が取れる」と分析。年内に市町村へ想定される発電量や工事費などを示し、導入の参考にしてもらう。(川上裕)

モデル20ヵ所絞り込みへ

 県は9月中旬、発電設備を設置できそうな80カ所の流量や落差、配電線への距離などを調べた。内訳は、川や砂防ダム36カ所▽農業用水路の排水施設36カ所▽浄化施設など8カ所。

 さらに、候補地の調査結果からモデル地区として20カ所前後を年内に絞り込む。モデルの具体例として、津和野町の民俗資料館近くの水路への水車設置や、飯南町の砂防ダムからの取水での発電などを挙げた。

 現在、県内で稼働する小水力発電所は23カ所。中国地方5県では最多だが、初期投資や改修の負担などで1960年代から新設が進んでいない。

 ことし7月に始まった買い取り制度で、1キロワット時当たり10円未満だった売電価格が同30・45~35・70円に上昇した。今後、県は具体的な採算性を示すことで普及を目指す。調査費は約1200万円。

 この日、松江市であった県再生可能エネルギー導入促進協議会で市町村に説明した。県地域政策課は「豊富な水資源を生かせば、雇用の創出や水路の維持など地域の振興につながる」としている。

(2012年10月23日朝刊掲載)

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