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広島文化賞に森さん 振興財団

 ひろしま文化振興財団(広島市中区)の第38回広島文化賞とひろしま文化功労者表彰の受賞者が決まり、30日、中区のサテライトキャンパスひろしまで贈呈式があった。

 文化賞には、被爆死した米兵捕虜の実態を明らかにした歴史研究家の森重昭さん(80)=西区=と、福山市出身で米ニューヨークを拠点に彫刻や絵画を手掛ける現代美術家の野田正明さん(67)が選ばれた。功労者表彰は、木造船の船大工として技術を受け継ぐ碇侑(いかり・すすむ)さん(85)=同市=が受けた。

 同財団の佐々木茂喜理事長が賞状と副賞を手渡した。森さんは「苦労を重ねた調査を評価していただき、亡くなった米兵も喜んでいると思う」と感謝。帰国時に小学校などで絵を教える野田さんは「若い世代の豊かな精神性を育みたい」と抱負を述べた。碇さんは「仕事というより、人助けとの思いでやってきた」と振り返った。

 文化賞は1980年度に創設、今回を含めて119人と87団体が受賞。功労者表彰は2013年度に始まり、碇さんが5人目となった。(鈴木大介)

(2017年12月1日朝刊掲載)

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