×

ニュース

国連ガイド ヒロシマ研修 犠牲者の数字でなく 被爆者の苦しみ伝える

3ヵ国6人 市が初企画

 国連施設で原爆資料のガイドを務める職員たちに原爆被害の実態を学んでもらう研修が2日、広島市内で始まった。原爆展の常設スペースがある3施設から6人が参加。国際的な核兵器廃絶の機運を高めようと市が初めて企画した。(柳本真宏)

 米・ニューヨーク、スイス・ジュネーブ、オーストリア・ウィーンにある国連施設のガイドと、ガイドの教育係が市の招きに応じた。初日は中区の原爆資料館や平和記念公園をピースボランティアの案内で巡った。

 資料館では、被爆直後の爆心地周辺のパノラマ写真の前で「資料館周辺は被爆直後の温度が約2千度になり、一瞬で街が焼けた」などと説明を受けた。

 ニューヨークの国連本部に勤めるビンチェンゾ・プグリエーゼさん(48)は「犠牲者の数字だけでなく、被爆者の苦しみを伝えたい」と話していた。

 研修は5日まで。被爆者2人から体験を聞くほか、放射線影響研究所(南区)や市立大広島平和研究所(安佐南区)の研究者の講義も受ける。

 国連施設での常設展は、ニューヨークの本部に1983年に初めて開設。2011年にジュネーブの欧州本部、15年にウィーン事務所にも設けた。いずれも原爆資料館が被爆資料を提供している。

(2017年12月3日朝刊掲載)

年別アーカイブ