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核なき世界実現 討議 都内でシンポ 機運盛り上げ狙う

 核なき世界の実現に向けた運動の在り方を考えるシンポジウムが2日、東京都内であった。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))へのノーベル平和賞授賞式が10日にあるのを前に、機運の盛り上げを図るのが狙い。NPO法人ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会(東京)が主催し、約90人が参加した。

 パネル討議でICANの川崎哲(あきら)・国際運営委員は「被爆者運動を土台にして核兵器禁止条約ができた」と評価した上で、条約に反対している日本政府に批准を促すため「おかしい、との声を圧倒的にすることが大事だ。授賞式はいい機会になる」と述べた。

 広島市立大広島平和研究所の直野章子教授は「核問題は私たちの生存に関わる。被爆者の支援者ではなく当事者という意識を持てば、できることはたくさんある」と強調。地方議会への働き掛けなど身近な取り組みを提案した。

 日本被団協の木戸季市事務局長は「若い人は私たちを使ってほしい。集いの場にも行く」と話し、世代を超えた連帯を呼び掛けた。(田中美千子)

(2017年12月3日朝刊掲載)

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