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タイで千羽鶴完成 広島の教諭 現地で提案 「平和 若者の力で」

 広島学院中高(広島市西区)の国語教諭で、タイ南部のベンジャマラチュティット校で日本語教育に携わる小松原有子さん(39)が、生徒たちに呼び掛け、千羽鶴2束を完成させた。日本文化紹介の一環。中高一貫の同校に提案し、平和を願う若者の心を形にした。

 小松原さんはこれまで平和学習を通し、被爆地の教員としての役割を考えてきた。国際交流基金の派遣事業に異文化コミュニケーションに関心を持って応募、1年休職してことし5月にタイに赴任した。この夏は授業の中で原爆被害や12歳で亡くなった佐々木禎子さん、「原爆の子の像」の建立運動を紹介した。

 そして禎子さんが回復の祈りを込めた折り鶴の作り方を日本語を学ぶ生徒約310人に練習してもらい、家族、教員らにも協力を求めた。「美しい」「一つずつ折った鶴がこんな形にまとまるとは思わなかった」と喜ばれたという。

 1束は同校に展示、もう1束は広島市の平和記念公園に送る。小松原さんの任期は来年3月まで。「若者も平和をつくり出す力があると気付くきっかけになればうれしい」と話している。(山本祐司)

(2017年12月4日朝刊掲載)

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