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沖縄出身被爆者の思い劇に 広島学院中高生徒

 広島で被爆した沖縄出身の人の人生を通じ、戦争の悲惨さや差別について考える劇が4日、広島市西区の広島学院中高で上演された。高校の演劇部の生徒と中学生有志の計11人が全校生徒約千人の前で披露した。

 劇は、沖縄で暮らす祖父が、東京から訪ねてきた孫たちに自らの体験を語る形で展開する。原爆に遭った広島では日本人として扱われず、帰郷後は被爆者として差別されたと紹介。戦争の悲惨さと平和の大切さを説く。

 8月に沖縄を訪ね、被爆者3人から差別に苦しんだ体験などを聞いた演劇部顧問の伊藤潤教諭(44)が脚本を制作。「戦争を知らない世代として歴史をどう発信するか、これからも努力を重ねたい」と語った。

 11人は9月から練習に取り組んだ。孫役の高校2年林奏多さん(17)は「差別を受けた沖縄の被爆者のつらい体験や思いを精いっぱい表現できた」と振り返った。(政綱宜規)

(2017年12月5日朝刊掲載)

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