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県庁では職員ら図上訓練 ミサイル想定避難確認 広島市が初実施 住民ら600人参加

 広島市は4日、ミサイル飛来を想定した避難訓練を初めてした。県も同日、県内への着弾を想定した国民保護の図上訓練を初実施。北朝鮮がミサイル発射を繰り返す中、被爆地の官民も有事の対応手順を確認した。(城戸良彰、仁科裕成、中川雅晴)

 市の訓練は、発射されたミサイルが市内上空を通過し、15分後に市内に被害の及ばない場所への落下を確認した、との想定。中区内の市役所や公民館など4カ所であり、計約600人が参加した。

 午後1時に2カ所の屋外スピーカーなどから、全国瞬時警報システム(Jアラート)の警報音を放送。最寄りのスピーカーから約300メートル離れた竹屋公民館では、住民たち約50人が屋内と屋外で聞き、館内の階段踊り場など窓のない頑丈な場所に避難、待機した。

 田中町の無職川崎芳章さん(78)は「屋内だと警報はよく聞こえなかった。混乱しないよう逃げる手順をもっと確認しておくべきだ」と話した。市役所では職員約300人が、誘導役から「姿勢を低くして」といった指示を受け、トイレや階段踊り場に逃げた。

 県庁での図上訓練には職員や陸上自衛隊、県警、市消防局の計約60人が参加した。

 県内のある地点に通常弾が直撃したと想定。屋内退避を求める着弾地点から半径2キロ以内の警戒区域の設定や、避難指示発令の手順を確かめた。終了後、湯崎英彦知事は報道各社の取材に「さまざまな弾頭の種類が想定される。通常弾頭以外の訓練も今後取り入れる」と述べた。

(2017年12月5日朝刊掲載)

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