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配備100機 戦力変容 艦載機移転 6割進む

 米軍岩国基地にC2輸送機が到着したのを受け、在日米軍再編に伴う海軍の空母艦載機移転計画は、予定する計61機のうち6割近くの岩国配備が済んだ。同基地の海兵隊もこの1年間で最新鋭ステルス戦闘機への更新を完了。同基地の配備機数は5日現在、海軍と海兵隊を合わせて100機程度とみられ、航空戦力が大きく変容している。

 中国四国防衛局によると、これまで岩国基地に移った艦載機とその移転日は、E2D早期警戒機5機(8月9日)▽FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機2部隊24機程度(11月28日~12月1日)▽EA18Gグラウラー電子戦機部隊6機程度(同)▽C2輸送機1機(12月5日)。ただ正確な移転数について、中国四国防衛局は「米軍の運用に関わるので答えられない」とする。

 海兵隊の戦力強化も進んでいる。今年1月と11月、既存機種の後継としてステルス戦闘機F35B計16機が国内で初めて配備された。2014年8月には、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)からKC130空中給油機部隊も移った。岩国基地所属の海兵隊機は約60機とされている。

 来年5月ごろまでとみられている海軍の残るスーパーホーネット2部隊(24機程度)の移転が終われば、岩国基地には約120機が置かれ、海軍と海兵隊の二つの航空司令部を持つ極東最大級の基地となる。

 一方、C2が到着した5日、山口県議会は岩国基地問題に関する議員連盟の役員会を開催。県から、これまでの配備状況について報告を受けた。相次ぐ移転時期の前倒しなどを踏まえ、県岩国基地対策室は「変更理由など十分な情報提供がない中で進められたと感じざるを得ない。今後は地元への詳細で迅速な情報提供ができるよう、米側との調整を努めることを国に要請した」と説明した。(和多正憲)

<米軍岩国基地の配備状況>(山口県資料などを基に作成)

海軍          海兵隊
FA18スーパー    FA18ホーネット戦闘攻撃機(約20機)
ホーネット戦闘攻
撃機(24機程度)

EA18Gグラウラ   ステルス戦闘機F35B(16機)
ー電子戦機(6機程度)

E2D早期警戒機    EA6Bプラウラー電子戦機(約5機)
(5機)

C2輸送機(1機)   KC130空中給油機(15機)
海軍合計36機程度   海兵隊合計約60機

(2017年12月6日朝刊掲載)

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