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[イワクニ 地域と米軍基地] 米軍機 時間外に離着陸 市、米側要請受け非公表

 岩国市の米軍岩国基地で6日未明、米軍機が、滑走路の運用時間(午前6時半~午後11時)外に離着陸していたことが分かった。市は5日夕に連絡を受け、時間外運用を把握していたが、基地側の要請に応じて公表しなかった。住民は「市は積極的に情報公開すべきだ」と批判している。

 騒音が最初に記録されたのは6日午前0時22分ごろ。基地北側の川口町にある市の測定器は同時刻に91・0デシベル、0時25分に71・0デシベルを計測。南側の尾津町では0時21、22分に74・8~71・9デシベル、午前5時ごろにも市南部の由宇町2カ所で79・4~73・3デシベルを記録した。いずれもジェット機とみられる。市には同日中に4件の苦情が寄せられた。

 滑走路の運用時間は、基地と市や県でつくる岩国日米協議会で確認しており、時間外運用の際も「市に通報する」としている。今回、市は5日午後4時すぎ、基地から「任務飛行で時間外に離着陸する可能性がある」との連絡を受けるとともに、事前公表を控えるよう求められたという。

 市によると、時間外運用は今年4、9月にも各1件あった。いずれも基地側から連絡はなく、市が事後に問い合わせて判明した。

 今回の対応について市は、基地との信頼関係を挙げた上で「問い合わせや取材対応を通じ、事後でも情報発信できており問題ない」と説明する。市自治会連合会の河角衛会長は「行政が知り得た情報は市民のもの。自ら公開する姿勢が必要だ」と指摘している。(藤田智)

(2017年12月7日朝刊掲載)

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