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通信使登録 大きな喜び 徐張恩・駐広島韓国総領事が退任

 駐広島韓国総領事館(広島市南区)で総領事を務めた徐張恩(ソ・ジャンウン)氏(52)が12日、帰国する。総領事館で11日、取材に応じた徐氏は、3年9カ月の任期を振り返り「広島で各界の方々と親交を深められたのは一生の財産。これからも両国の友好に貢献したい」と語った。

 最も印象に残った出来事に、朝鮮通信使の関連資料が10月末、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)へ登録されたことを挙げた。「寄港地がたくさんある広島で登録を見届けられ、大きな喜び。登録が中国地方の発展につながってほしい」と期待した。

 福山市の親善友好都市の浦項(ポハン)市生まれ。2014年3月に着任し、15年には国交正常化50年の記念行事を各地で開くなど、両国の関係改善に尽くした。「縁のある広島で民間交流の後押しもできた。人と人との信頼は、国家間の関係を乗り越える力があると、あらためて感じた」と振り返った。

 退任は8日付。着任前はソウル市の政務副市長などを務めており、帰国後は大学や研究機関に身を置きながら政界進出を目指すという。後任は内定しており、近く公表されるという。(栾暁雨)

(2017年12月12日朝刊掲載)

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