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市民団体 活動強化誓う 広島で集会

 ICANへのノーベル平和賞授賞式があった10日、被爆地広島では市民が集会などを開いて祝った。核兵器の廃絶へ、一層の活動強化を誓い合った。

 授賞式に先立つ昼、広島市中区の原爆ドーム前で、27市民団体の実行委員会が集会を開催。約100人が核兵器禁止条約の制定や受賞を歓迎する日英両語の横断幕を掲げた。スピーチに立った高校生平和大使の皆実高3年久永風音さん(17)=安佐北区=は禁止条約は性急だとの意見に反論。「被爆者から体験を聞く機会は少なくなる。今だからこそ大きな一歩を踏み出せる」と訴えた。集会声明では、米国の核抑止力に依存する日本政府を非難し、「署名・批准の良識ある行動に立たせる」と宣言した。

 夜は、平和を語らうカフェ「ハチドリ舎」(中区土橋町)で、授賞式の中継映像を見る集いがあり、約20人が参加。受賞演説に聞き入り、立ち上がって拍手を送った。感極まり泣きだす人もいた。

 盈進高2年高橋悠太さん(17)=福山市=は「私たち市民の力で核兵器をタブーにする」。原爆の「黒い雨」を浴びた森川高明さん(78)=西区=は「市民を束ね、核兵器への包囲網をつくる戦略が有効と分かった。受賞をお祭り騒ぎで終わらせないため、核保有国も動かす戦略を考えたい」と力を込めた。(城戸良彰)

(2017年12月12日朝刊掲載)

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