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核抑止から脱却 環境づくり誓う 広島市長が帰国会見

 広島市の松井一実市長は14日、ノルウェー・オスロで10日にあった非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))へのノーベル平和賞の授賞式出席を受け、記者会見した。「核保有国の為政者が核抑止という幻想から脱却し、核兵器廃絶の実現へ1歩を踏み出す重要性を痛感した」と述べ、その環境づくりを誓った。

 松井市長は、ICANが推す核兵器禁止条約に反対する核保有五大国の大使が式を欠席した点に触れ「核兵器に対する誤った認識が、廃絶の必要性を矮小(わいしょう)化し、単なる理想主義として軽視されかねない状況になると浮き彫りにした」と指摘。乗り越えるため、世界中の市民社会が被爆の実態と核兵器の非人道性を認識し、連帯して廃絶へ取り組む必要性を説いた。

 松井市長はノーベル賞委員会から招待を受け、8~12日の日程で出張。オスロでは、禁止条約を推進するメキシコ、コスタリカの両外相と意見を交わすなどした。

(2017年12月15日朝刊掲載)

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