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「平和賞機に運動強める」 被団協代表委員ら帰国会見

 ノルウェー・オスロであった核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))へのノーベル平和賞授賞式に出席した日本被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員(85)たち3人が15日、帰国した。東京都内で記者会見し、受賞を機に核兵器の廃絶へ向けた運動を強める姿勢を示した。

 田中氏と藤森俊希事務局次長(73)、ICANの川崎哲(あきら)・国際運営委員の3人。田中氏は「式は盛大だった。命が続く限り、核兵器がいかに残虐か世界中に伝える役割を果たさなければとつくづく感じた」と述べた。藤森氏は「受賞が廃絶のステップになったと言えるよう努力しないといけない」と力を込めた。

 川崎氏は核兵器禁止条約に賛同していない日本政府を批判。「ノルウェーでは条約に署名していないことが国会で問題になっている。日本でまともな議論がされていないのは異常だ。変える行動を直ちに起こさないといけない」と強調した。来年1月に来日するICANのベアトリス・フィン事務局長と面会するよう、安倍晋三首相に申し入れる方針も明らかにした。

 会見には、11月にバチカンで法王フランシスコに謁見(えっけん)した被団協の和田征子事務局次長(74)が同席。「法王は核抑止力をはっきり否定された」と語った。(田中美千子)

(2017年12月16日朝刊掲載)

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