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日系人隔離伝える証し 強制収容の大統領令から75年

 太平洋戦争中、米国では西海岸を中心に11万人以上の日系人が家を追われ、強制収容所に隔離された。今年は、強制収容につながった1942年の大統領令からちょうど75年。米国各地の展示施設やモニュメントを訪ね、歴史の教訓を伝える地道な取り組みを見た。

 首都ワシントンのスミソニアン米国歴史博物館は、強制収容の歴史を振り返る特別展を開催している。大統領令の原本をはじめ、米国に忠誠を示すため米軍に入隊した日系人の制服などが並ぶ。市内には日系米国人を顕彰する碑も立つ。

 開館25年を迎えたカリフォルニア州ロサンゼルスの全米日系人博物館は、日系移民が使った日用品や当時の写真などを所蔵。収容所跡地から移築したバラックも展示している。

 スミソニアンの特別展は好評のため、期間が来年12月まで延長された。移民に厳しい政策を取るトランプ政権下、資料が伝えるメッセージは重みを増している。(写真と文・田中美千子)

(2017年12月16日セレクト掲載)

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