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東館の実物資料 充実へ 原爆資料館 本館の開館延期受け

 広島市は21日、リニューアル工事中の原爆資料館本館(中区)のオープンが2018年7月から19年春へ延びたのを受け、東館に仮設中の実物資料の展示を増やす方針を明らかにした。

 先行して今年4月に改装を終えた東館は、核兵器の非人道性や原爆投下後の広島の歩みを伝える展示がメインだが、本館の閉館に伴い、被爆の惨禍を知ってもらう実物資料も1階で仮設展示している。市は18年度以降、地下1階の空いた場所にケースを置き、実物資料の展示を拡充するよう検討している。松井一実市長はこの日の記者会見で「実物資料の展示を充実させる必要がある。東館を有効活用し、被爆の実相をしっかり伝えたい」と述べた。

 本館は過去の施工部分に不良箇所が見つかり、保存に向けた設計と追加工事をすることになった。19年7月末の完了を見込んでいた耐震改修工事も、設計の見直しが必要で遅れるという。松井市長は「長く平和を発信していくための重要な施設なので、多少時間はかかってもしっかり対応する」と説明。被爆75年の節目となる20年8月6日の平和記念式典までに耐震改修工事を終えたい考えを示した。(野田華奈子)

(2017年12月22日朝刊掲載)

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