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「シュモーハウス」平和の礎に きょう中区に開館

 米国人平和活動家の故フロイド・シュモー氏が被爆者のために建てた中区江波二本松の集会所が1日、原爆資料館(中区)の付属展示施設「シュモーハウス」としてオープンする。31日、現地で記念式があり、シュモー氏の遺族も駆け付け開館を祝った。

 施設は1951年に建てられ、木造平屋約55平方メートル。49~53年にシュモー氏が建てた住宅や集会所21棟のうち、唯一現存する。広島の戦後復興を支援したシュモー氏たち外国人6人の功績を紹介する資料や写真23点を展示する。

 記念式には、地元住民たち約80人が出席。松井一実市長はあいさつで「国内外から温かい援助を受け、市民は希望の光を見いだした。来館者に平和への思いを共有してほしい」と述べた。

 シュモー氏の次男ウィルフレッド・シュモーさん(85)=米ワイオミング州=と孫2人も出席した。ウィルフレッドさんは、父が愛用したハンマーや作業姿をとらえた写真を見て「父は原爆投下に心を痛め、ささやかでも行動したいと願っていた」と話した。

 シュモー氏は83年、市から特別名誉市民の称号を贈られた。2001年、105歳で死去した。

 原爆資料館が付属展示施設を設けるのは初めて。施設は入場無料。午前9時~午後5時。月曜休館。(田中美千子)

(2012年11月1日朝刊掲載)

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