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被爆者手帳申請 広島市職員が韓国訪問し初審査

■記者 森田裕美

 改正被爆者援護法の施行に伴い、海外からの被爆者健康手帳申請の初の現地審査のため訪韓した広島市職員が16日、被爆者との面談を開始した。

 慶尚南道陜川郡では、市原爆被害対策部援護課の中村明己認定担当課長らが病院で寝たきりの鄭南寿(チョンナムス)さん(88)に面会した。広島で爆心地から2.4キロの自宅で被爆。2005年に同市が被爆確認証を発行したが、来日できないことから手帳は手にできなかった。

 中村課長は「4年前に被爆事実を確認したにもかかわらず長い間手帳がお渡しできず、心が痛む思いだった」と声をかけ、本人確認の後、被爆状況など申請内容も読み上げて確かめた。涙ぐむ鄭さんの横で長男姜碩鍾(カンソクジョン)さん(69)は「大変時間はかかったが、遠くまで来ていただき、感謝する」と語った。

 2人の職員は陜川原爆被害者福祉会館も視察し、手帳申請が困難な被爆者たちの実情を聞き取った。19日まで釜山やソウルを含めて6人の申請者と面談する。いずれも被爆確認証を持つことから帰国後、速やかに手帳は交付される見通し。

(2009年1月17日朝刊掲載)

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