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「ひろしま構想に協力を」 国連欧州本部 知事、事務局長に要請

■記者 野崎建一郎 ジュネーブ発

 欧州訪問中の湯崎英彦広島県知事は1日、スイス・ジュネーブ市の国連欧州本部でカシムジョマルト・トカエフ事務局長と会談し、「国際平和拠点ひろしま構想」への協力と被爆地訪問を要請した。トカエフ氏は支援する考えを示し、来年夏に広島市を訪れる意向も表明した。

 会談は非公開で約30分。桧山俊宏団長たち9人の県議団も同席した。会談後に取材に応じた湯崎知事によると、核軍縮を多国間の専門家たちで協議する円卓会議の広島開催や、核保有国の軍縮の取り組みを評価する成績表の構想について、湯崎知事が説明。トカエフ氏は「非常に重要な構想。各国への広報面で支援したい」と答えた。

 トカエフ氏は、国連軍縮会議の議長も務める。湯崎知事は「来年夏に軍縮会議の主要メンバーとともに広島に来てもらい、平和構築について議論してほしい」と要請。トカエフ氏は「喜んで訪問したい」と応じたという。

 湯崎知事は会談前日の31日、広島市中区に広島事務所を構える国連訓練調査研究所(ユニタール)も訪問。サリー・フィーガンワイレス本部長と会い、平和構築に取り組む人材育成などで連携を深めることを確認した。

 前広島事務所長で、ユニタールのアレクサンダー・メヒヤ欧州本部地域開発部長も同席。「国連平和維持軍に関する事業を広島で実施したい」との私案を披露した。フィーガンワイレス本部長も理解を示した。

 湯崎知事は、紛争犠牲者の支援などに当たる赤十字国際委員会(ジュネーブ市)も訪れ、クリスチーン・ベーアリ副総裁と面会。核兵器廃絶を目指して連携策を探ることを申し合わせた。

(2012年11月2日朝刊掲載)

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