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中国で大久野島写真展 佐伯区の被爆3世

 被爆3世の写真家藤井ヨシカツさん(38)=本名良雄(よしかつ)、広島市佐伯区=が、旧日本陸軍の毒ガス工場があった竹原市大久野島を撮影している。撮りためた26点を1月3日まで、中国福建省アモイの写真展に出展している。

 観光客に人気のウサギの様子や毒ガス工場跡の外壁など、現在の島の様子を切り取った。戦時中に工場で働いていた工員の写真や手記などの資料21点も展示。島の歴史を対比して紹介している。

 東京で会社員だった2013年、米ニューヨークのフォトフェスティバルに入賞。写真家に転じ、14年にUターンした。戦争体験の継承が使命と考え、大久野島の写真集の作成を企画。話を知った中国の知人から出展を要請された。

 藤井さんは「大久野島の歴史を知ってもらい、加害と被害の両方の側面がある戦争について考えるきっかけにしてほしい」と語る。(政綱宜規)

(2017年12月31日朝刊掲載)

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