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カザフと連携核廃絶へ署名 広島の若者、日本の窓口に

 カザフスタンとの交流を続ける広島市の若者グループCANVaS(キャンバス)は、同国の反核市民団体ネバダ・セミパラチンスク運動に協力し、日本で核兵器廃絶への賛同を求める署名集めに取り組んでいる。二つの核被害地が連携し、核兵器のない世界を目指す。署名は同運動が集約し、年内をめどに国連に提出する予定。

 署名集めは、8~9月のカザフスタンへのスタディツアーがきっかけ。キャンバスの小麻野貴之代表(33)らが南部の都市アルマトイにある同運動の本部を訪れた際、「ぜひ広島の若者に協力してほしい」と依頼された。

 キャンバスは、日本側の窓口になることを決め、大学生らメンバー約20人が12月までに千人を目標に集めている。

 メンバーで広島修道大2年の二上真衣さん(19)=広島市西区=は「ヒバクシャを二度とつくってはいけないという願いは同じ。一緒に頑張りたい」と、授業の休憩時間やサークル活動などで呼び掛けた。同2年の高橋里歩さん(20)=東広島市=は「大きなうねりになってほしい」と署名に応じていた。

 同運動は、2011年のセミパラチンスク核実験場の閉鎖20周年に合わせて、署名集めを開始。既にカザフスタンでは若者ら約50万人分を集めたという。

 安佐北区出身の小麻野代表=東京都=は「国を超えた連携を通し、世界に核の脅威を訴えたい」と話している。(増田咲子)

ネバダ・セミパラチンスク運動
 カザフスタンの反核市民団体。かつての首都アルマトイに本部を置く。ロシアやイスラエル、イタリアなどにも支部がある。旧ソ連時代の1989年2月、国内にあるセミパラチンスク核実験場での地下核実験で放射性ガスが地上に漏れたのをきっかけに発足。91年、同核実験場を閉鎖に追い込んだ。議長は、詩人で国連教育科学文化機関(ユネスコ)大使でもあるオルジャス・スレイメノフ氏。

(2012年11月5日朝刊掲載)

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