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「核非合法化」署名国と連携を 松井市長、国に要請へ

 核兵器の非合法化を目指し30カ国以上が共同で発表した声明について、日本政府が署名拒否したのを受け、広島市の松井一実市長は6日、外務省を訪れて、署名各国と連携を深めるよう要請することを決めた。

 松井市長は日本政府が署名しなかった理由をただし、玄葉光一郎外相宛ての要請書を手渡す。外務省は、軍縮不拡散・科学部の北野充部長が対応する。

 松井市長は10月24日の記者会見で「被爆地広島の訴えと重なる」と声明を評価する一方、「政府とは価値基準が違う。広島としてどこまで言うか悩ましい」と述べ、政府に署名を求めることに慎重姿勢を示した。今回の要請も再考を迫らないとみられる。

 声明はスイスやノルウェーが中心になり、同22日の国連総会第1委員会で発表された。核兵器を非合法化する努力を各国に促す内容。日本政府は「わが国の安全保障政策と必ずしも合致しない」とし、米国の核抑止力への影響の懸念から参加を見送った。

 長崎市の田上富久市長は外務省に対し、署名に応じるよう要請している。二つの被爆地の対応の差に、広島の被爆者団体から疑問の声が上がっていた。

 松井市長は、政令指定都市の市長による指定都市市長会議などに出席するため、4日から上京している。(田中美千子)

(2012年11月6日朝刊掲載)

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