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がん闘病に勇気の歌声 平和と人権の音楽家励ます

■記者 新田葉子

 がんと闘う音楽家山ノ木竹志(本名新江義雄)さん(61)=広島市中区=を励ますコンサートが24日、中区の県民文化センターで開かれる。全国の音楽仲間約300人が出演し、山ノ木さんの平和や人権を題材にした代表曲を歌い、奏でる。

 午後2時半に開演。県内の5合唱団、3つの障害者作業所のメンバーを中心に、県外からも約70人が駆け付ける。これまで山ノ木さんの人柄や音楽に励まされてきた顔ぶれ。山ノ木さんが作詞や作曲、訳詞を手掛けた約400曲から約40曲を披露する。

 労組職員だった山ノ木さんは、約30年前の交通事故が原因で左目の視力をほぼ失い、音楽活動に専念した。もみじ作業所(中区)を支援する「ともだちコンサート」や「憲法ミュージカル」に参加。出演者の思いを曲にし、指導してきた。核兵器廃絶を訴え、1995年から続く「ピースウェーブコンサート」を提唱した。

 昨年5月に直腸がんが見つかった。今回のコンサートでは、予定した指揮は取りやめたが、車いすで司会やギターの弾き語りをする。入院先のベッドの枕元には楽譜を置いている。「どんなことがあっても出る。みんなの笑顔が見たいから」

 当初は還暦を祝い、感謝するコンサートとして仲間が企画した。もみじ作業所に通う橋本幸子さん(43)=西区=は「楽しい気分にさせてくれる人。早く元気になってほしい」と練習を重ねる。

 主催する実行委の熊谷勇二委員長(71)は「弱者に寄り添ってきた音楽家。コンサートが病気に打ち勝つ力になれば」と願う。一般2000円、障害者と高校生以下1000円。電話予約が望ましい。うたごえセンターTel082(294)3981。

(2009年1月22日朝刊掲載)

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