×

ニュース

国連委で核廃絶決議 「日本がスタンダード」 外相、現実的な努力優先

 国連総会第1委員会(軍縮)で日本が主導する核廃絶決議案が採択されたことについて、玄葉光一郎外相は6日の記者会見で、現実の課題を一つずつ解決しようとする日本の姿勢が「核軍縮、不拡散のスタンダードとして認められている」との認識を示した。

 決議では、兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約の交渉入りなど長年の懸案を列挙している。これに対し、一部の国や非政府組織(NGO)は、従来の手法では軍縮が進まないとして核兵器の「非合法化」や核兵器禁止条約の交渉入りを主張している。

 玄葉氏はこうした点を念頭に、「現実的な方法しかないと多くの国は思い始めているのではないか。残念ながら理想論だけでは進まない」と指摘。非合法化声明に署名するよりも、現実的な努力を続けるのが日本の立場との姿勢を暗に示した。(岡田浩平)

    ◇

 国連総会(193カ国)の第1委員会(軍縮)で5日に採択された核廃絶決議案は、日本が主導して核兵器保有国の米国と英国を含む97カ国が共同提案し、159カ国が賛成した。同様の決議は19年連続。来月上旬に総会本会議でも採択される見通し。

 決議は、「核兵器のない世界」の実現に向け、核拡散防止条約(NPT)体制の順守と、NPT未加盟国の速やかな加盟の重要性を強調し、核保有国には核兵器全廃への努力を求めている。

 共同提案国に英国が加わるのは初めてで、同じ核保有国のフランスとロシアも賛成した。反対は北朝鮮だけで、棄権は中国やキューバ、インド、イスラエルなど12カ国。

(2012年11月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ