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原爆投下後の内部被曝 土ぼこりの影響を調査 広島大の星名誉教授

 広島原爆によって放射能を帯びた土ぼこりがもたらした内部被曝(ひばく)の影響を探るため、広島大の星正治名誉教授(64)=放射線生物・物理学=が6日、広島市内の土のサンプル採取を始めた。土の粒子の大きさを調べて飛散状況をシミュレーションし、内部被曝の実態に迫る。

 現在、原爆で浴びた放射線量を推定する計算式は、吸い込んだ土ぼこりなどによる内部被曝を考慮していない。星名誉教授は、原爆投下後に土ぼこりが飛び散った範囲と内部被曝線量の推計を試みる。

 初日は中、南区の公園計3カ所を回った。1カ所につき3地点を選定。特殊な機械を使い、各地点で地表から深さ1センチまでと、同2センチまでの2種類を採取した。

 土のサンプルはさらに数カ所で集める。星名誉教授は「シミュレーションの精度を高めるため、旧市街地で戦後、手が加えられていないエリアがあれば情報がほしい」と呼び掛ける。情報の提供先は、広島大原爆放射線医科学研究所(南区)の大滝慈教授の研究室Tel082(257)5852。(田中美千子)

(2012年11月7日朝刊掲載)

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