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[イワクニ 地域と米軍基地] 米軍機飛行 広島市内 目撃27件

 広島市は17日、米軍岩国基地(岩国市)などを行き来する米軍機が市内で目撃された件数が本年度27件(16日時点)に達したと明らかにした。同基地への空母艦載機移転が進む中、既に前年度1年間の5件を22件上回っている。

 松井一実市長は記者会見で、西区や佐伯区などの市民から、1機から多くて4機が南北の方向に飛行し、会話やテレビの音が聞き取りにくいといった情報が担当課などに寄せられていると説明。広島県内で繰り返される低空飛行訓練に関し「県が窓口となって日米両政府に要請している。しっかり取り組んでいただければ」とした。騒音測定器は「国が設置するべきだ」との見解を示し、市独自には対応しない考えを示した。

 その上で、艦載機移転で高まる市民生活のリスクについて「平和な、戦争の起こらない状況にするという究極目標のための国防。国の責任で、住民の不安をあおるような訓練だけはやっていただきたくない」と強調。「恒久平和を願う市民の願いを裏切らない形で推移してほしい」と述べた。

 市平和推進課によると、米軍機の目撃件数は、2013年度3件、14年度9件、15年度88件、16年度5件。15年度に突出している理由は「分析していない」という。(野田華奈子)

(2018年1月18日朝刊掲載)

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