×

ニュース

高橋さんの遺志引き継ぐ 原爆資料館元館長 広島、しのぶ会に80人

 原爆資料館(広島市中区)の元館長で、昨年11月に80歳で亡くなった被爆者の高橋昭博さんをしのぶ会が7日、広島市中区の市文化交流会館であった。

 被爆者や平和団体、広島市の関係者たち約80人が出席。原爆ドームを背に穏やかな表情を浮かべた高橋さんの遺影に花を手向け、思い出を語った。

 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会の森滝春子共同代表は「活動の方向に間違いがあれば必ず指摘してくださった」。秋葉忠利前市長は「被爆者のメッセージを次の世代にどう引き継ぐか。高橋さんからの宿題を一緒に考え、行動しよう」と呼び掛けた。

 高橋さんは爆心地から1・4キロで被爆。全身に大やけどを負った。戦後、市に勤務しながら被爆者運動に参加した。1979年から4年間、原爆資料館長。退職後も国内外で被爆体験を証言し、核兵器廃絶を訴えた。オバマ米大統領には広島訪問を訴える手紙を4回送った。(田中美千子)

(2012年11月8日朝刊掲載)

年別アーカイブ