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[イワクニ 地域と米軍基地] 基地関連の苦情 12月最多の266件 艦載機移転 背景か

 岩国市へ2017年12月、市民から寄せられた米軍岩国基地に絡む苦情件数は266件に上り、12月分では過去最多だったことが市のまとめで分かった。同月は米空母艦載機の主力部隊の半数が厚木基地(神奈川県)から岩国基地へ移転し、北朝鮮情勢に伴う訓練も実施された。市は、艦載機移転に対する市民の関心の高まりが背景にあるとみている。

 市基地政策課によると、苦情件数の内訳は、「航空機騒音」が217件と8割強を占め、基地撤去を求める意見などの「その他」が49件。過去の12月分と比較すると、前年の16年(164件)から約6割増え、過去最多の10年(190件)の4割増。航空機騒音だけを見ても、過去最多の10年(178件)を更新した。

 17年12月は、厚木基地周辺の騒音の主因とされたジェット機3部隊(計30機程度)の移転が1日までに完了。直後の4~8日には米韓共同訓練が韓国とその周辺であり、岩国基地からは海兵隊のステルス戦闘機F35Bなどが参加した。

 米韓共同訓練の期間中には、3日連続で滑走路運用時間(午前6時半~午後11時)外の離着陸が相次いだ。市が基地北側の川口町に設置している騒音測定器は同月、新幹線車内に相当する70デシベル以上の騒音を555回記録。16年12月(247回)の約2・2倍だった。

 市によると、17年度全体の苦情件数も4~12月で既に2427件に上り、過去最多だった13年度の2491件を上回るのは確実な情勢だ。基地政策課は「艦載機移転の容認表明、移転開始などの動きが続き、基地に対する市民の関心が高まっている。騒音の影響を注視したい」としている。(松本恭治)

(2018年1月23日朝刊掲載)

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