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原爆資料館改装後の壁面展示 被爆兵士の写真差し替え

有識者会議 少女か少年 検討へ

 原爆資料館(広島市中区)は25日、展示見直しに助言する有識者会議を館内で開いた。来春にリニューアルオープンを予定する本館で来館者が最初に見る壁面展示について、当初使う方針だった被爆者の写真を別の被爆者の写真に差し替える案を示した。

 資料館側は、大やけどを負って病院のベッドに横たわる男性兵士の写真を壁面に引き伸ばして掲げる方針だったが、男性側の遺族から「生前も原爆で苦しんだのに、大きな写真で資料館に展示され続けるのは耐えられない」と変更を求められたという。

 代替案として、右手にやけどを負い廃虚に立つ少女(1945年8月9日撮影)、広島赤十字病院(現中区)でやけどの治療を受ける少年(同月10~11日撮影)の2案を示した。

 会議には委員11人のうち9人が出席。「原爆が日常を破壊するイメージが伝わる」「原爆投下当時の状況をよく示している」などとそれぞれを評価する意見が出て、結論は新年度に開く次回会議に持ち越した。

 本館ではこのほか、犠牲者が着ていた学生服やかばんなどを展示したり、風圧で破壊された扉などの大型資料を並べたりする。今後、展示資料や配置を確定させる。(野田華奈子)

(2018年1月26日朝刊掲載)

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