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誘致 賛否動き活発化 地上イージス 自民萩支部や市民

 政府が地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の候補地に陸上自衛隊むつみ演習場(萩市)を検討していることを受け、山口県で賛否の動きが活発化している。同演習場の周辺地域の自民党支部は15日、誘致と地域振興を求める決議文を国へ提出。一方、反対する市民も住民団体を設立し、27日に配備撤回を訴える集会を開く。

 政府は昨年12月、北朝鮮への弾道ミサイル防衛(BMD)の強化策として、イージス・アショア2基の導入を閣議決定。2023年度の運用開始を目指し、萩市と秋田市の陸自演習場を候補地に検討している。

 こうした動きを踏まえ、自民党萩支部など県内八つの地域支部の代表者が15日、中国四国防衛局(広島市中区)に赴き、むつみ演習場への誘致と国による地域振興策を求める決議文を提出。山口県議の田中文夫・萩支部長(69)は決議理由を「半島情勢が緊迫化する中、国の防衛政策には積極的に協力したい。自衛隊員の人員配置などで地元への経済効果も期待できる」と説明する。

 一方、萩市民たち約20人は13日、「配備計画の撤回を求める住民の会」を設立。27日には、同市で専門家を招いた講演会を開き、イージス・アショアの電磁波による健康被害の可能性などについて意見を交わす。森上雅昭代表(65)は「島根県境まで広く影響する問題だが、いまだに国から一切説明がない。今後も会員を募り、抗議の意思を示したい」と訴える。(和多正憲)

(2018年1月26日朝刊掲載)

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