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「三池」から見つめる「原点」 来月横川シネマ上映

 三井三池炭鉱で懸命に生きた人々の姿を追った2006年公開のドキュメンタリー映画「三池 終わらない炭鉱(やま)の物語」(熊谷博子監督)が、東日本大震災に伴う原発事故を受け、各地で再上映されることになった。

 熊谷監督は今年3月、地方の労働者たちが日本のエネルギーや人々の生活を支えてきた構造など、炭鉱と原発の共通項を描く著書「むかし原発 いま炭鉱」(中央公論新社)を刊行した。あらためて「過去を知るだけでなく、未来を考える契機とするべく」再上映が決まったという。

 6年前の公開で、入場者1万人と単館としては異例のヒットを記録した東京の「ポレポレ東中野」では、3日から9日まで再上映とともにトークイベント「『福島 終わらない原発の物語』をどう生きるのか?」を連日開催。原発取材を続けるフォトジャーナリストの樋口健二さんやルポライターの鎌田慧さん、写真家の本橋成一さんらと熊谷監督が対話した。

 広島市西区の横川シネマでも、12月1~7日に上映される。1日は午前10時10分からの上映後、熊谷監督のトークがある。

 「炭鉱は日本のエネルギー政策の原点。過去と今のありようを、根っこから見つめたい」と熊谷監督は話している。

(2012年11月10日朝刊掲載)

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