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「核抑止論は誤り 気付いて」 米NGOサリバン氏、東京で会見

 米国での被爆証言実施に取り組む非政府組織(NGO)ヒバクシャ・ストーリーズのプログラムディレクターであるキャサリン・サリバン氏が25日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。「被爆者の声に耳を傾け、核抑止論が誤っていることに気付いてほしい」と強調した。

 ヒバクシャ・ストーリーズは、昨年のノーベル平和賞を受けた核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))の加盟団体。2008年以降、米国を訪れた被爆者に高校などで体験を語ってもらう活動を続け、証言を聞いた若者は延べ約4万人に上る。

 サリバン氏は核兵器禁止条約の制定について「被爆者の功績が大きい。つらい体験を語り、核抑止力より核使用の非人道性に目を向けるよう国際社会を促した」と説明。「核兵器で安全は守れない」と述べた上で、被爆者の証言を受け継いで次代に伝える重要性を強調した。

 サリバン氏は、広島市の「ひろしま平和大使」も務める。今回は、被爆証言の多言語化に取り組む首都圏や関西の大学教員たちの招きで来日した。(田中美千子)

(2018年1月26日朝刊掲載)

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