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原爆ドーム破片 世界に 広島大、独・英大学へ寄贈

 広島大(東広島市)は31日、広島市中区の原爆ドーム(旧県産業奨励館)の一部だったとみられるれんがの破片2点を、ドイツ北西部のミュンスター大に発送した。交流協定を結ぶ同大で、平和学習に役立ててもらう。

 破片は、重さ1.5キロ(縦12センチ、横15センチ、高さ7センチ)と3.5キロ(縦15センチ、横20センチ、高さ7センチ)。広島大研究員の嘉陽礼文さん(39)たちが2015年4月、ドーム前の元安川から引き揚げた。

 れんがの断面や表面の加工技術を調べ、3階付近の外壁部分だったと推定している。同時に引き揚げた約30個のれんがや瓦から、保存状態が良い二つを寄贈用に選んだ。

 3月には英国のケンブリッジ大にも贈る。嘉陽さんは「破片を見た人たちが、原爆の被害や犠牲者に思いを巡らせるきっかけになってほしい」と願った。(辻本夕貴)

(2018年2月1日朝刊掲載)

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