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[イワクニ 地域と米軍基地] 阿多田島で騒音調査 大竹市議会委 艦載機の影響探る

 米軍岩国基地(岩国市)の騒音被害が大きい大竹市の離島、阿多田島で5日、市議会基地周辺対策特別委員会(網谷芳孝委員長、8人)が騒音調査を始めた。同基地への米空母艦載機の移転が本格化した影響を探るためで、特別委独自の調査は初めて。14日まで計4回、委員が交代で測定する。

 基地の北東約6キロに浮かぶ島は、基地から飛び立つ米軍機のルート直下に位置する。人口約280人。初日は網谷委員長と寺岡公章委員の2人が午前10時すぎから約5時間半、阿多田島漁協事務所内などで簡易型の騒音測定器を使って調査。午後1時ごろ、85デシベルを1回記録した。80デシベルは交通量の多い道路に、90デシベルは地下鉄の車内に相当する。

 艦載機の移転は昨年8月に開始。61機が段階的に移り、5月ごろまでに完了する予定。国の騒音予測図では移転後、島内では騒音レベルの指標「うるささ指数(W値)」75以上の区域が拡大し、ほぼ全域を占める。W値75以上の区域は、国が補助する住宅防音工事の対象になる。国は大竹市内2カ所に騒音測定器を設置。うち1カ所は阿多田島漁協の建物屋上にある。

 特別委は調査結果を踏まえ、来夏までに、島を含めた市の振興策に関する国への要望書をまとめる方針。網谷委員長は「島民と意見交換もし、思いを共有したい」と述べた。(白石誠)

(2018年2月6日朝刊掲載)

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