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南相馬の現状を紹介 被災地の病院長講演 島根県益田市

 福島県南相馬市立総合病院の金沢幸夫院長が10日、島根県益田市の県芸術文化センター・グラントワで「東日本大震災および原発事故後の南相馬市の状況と課題」と題した講演会を開いた。市民約200人が聴講した。

 金沢院長は事故後、子どもや家族の仕事の関係で同病院の医師や看護師が激減したことに触れた。事故後数カ月で、医師は14人が4人に、看護師は約130人が82人にまで減り、病院の機能が果たせなくなったと説明。「医師は戻りつつあるが、看護師の数は足りていない。今も閉鎖している病棟もあり救急医療の体制を整えることが急務」と語った。

 放射線を懸念して子育て世代はあまり福島に戻ってきていないとし、「今の状況が続けば、100年後には南相馬市の人口はゼロになると言われている。若い人への支援を充実させ、安心して子育てができる仕組みづくりが必要」と訴えた。(浜岡学)

(2012年11月11日朝刊掲載)

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